タッチデバイスの終焉?Amazonが音声で覇を狙う

スマートスピーカーへの注目度が高まっている。IoT(スマートホーム)の観点では、様々な家電を繋ぐハブとして。AIの観点では、端的な実用例として。広告プラットフォームの観点では、スマホに代わる、新たな購買手段として。インターフェースの観点では、タッチスクリーンに代わる次世代の入力方法として。

実際、コンサルティング会社のA.T.カーニーは、2015年に140億米ドルの規模だった世界全体のスマートホーム市場が、2025年に2630億米ドル、2030年には4050億米ドルまで成長すると予測している。

2017年にはようやく日本にも波が到来し、Amazonが「Amazon Echo」、Googleが「Google Home」「Google Home Mini」を発売した。

実際に筆者もAmazon Echoを購入して使用しているが、まず感じたのが入力インターフェースにおける革命である。直感的に、まるで人間に指示するかのような感覚で、操作することができるのだ。

コンピューターへの入力方法は、より直感的な方向に進化してきたという流れがある。初期はパンチカードに穴を空けることで入力していたが、それがキーボードとマウスに置き換わり、ついには、スマホのタッチ入力に行き着いたのだ。しかし、直感的という観点でいうとまだ先がある。最も根源的なコミュニケーションはジェスチャーと音声であろう。これよりも直感的となると、念じることで操作する、脳波を使った方法になるが、実現はまだ先だろう。その意味で、言葉で指示をするというのは一つのゴールにも思える。実際、筆者の両親はガラケーやスマホをほぼ使いこなせていないが、Amazon Echoはすぐに利用でき、また、楽しそうに継続利用している。

総務省によると、2016年における、日本の世代別インターネットの利用率は、50代が93%、60代が76%、70代が54%、80歳以上が23%となっている。65歳以上の高齢者は2017年9月時点で3514万人で、27.7%を占める。つまり、スマートスピーカーによって高齢者のインターネット利用率が上がれば、世の中に大きな変化が起こる。

具体的には、これが購買行動に結びついた時、従来の広告モデルが崩壊するかもしれない。

2016年5月に「Experian Insights」が発表した調査結果によると、「Amazon Echoで一度でも使ったことがあるスキル」として、45%のユーザーが買い物リストにモノを追加し、32%のユーザーが実際にアマゾンで購買していた。

これがさらに普及した場合、「Googleで検索して買う」という従来の消費者行動が「AIに聞いて買う」というものに変わるかもしれない。そうなった場合、広告業界は大きな影響を受けるだろう。

2017年の普及率は、18歳以上のアメリカ人の16%で、およそ3,900万人が所有している状態である(Edison Research,NPR)。また、米調査会社のガートナーによると、2020年までに全世界における世帯普及率は3.3%になる見込みだ。

スマホが普及して世の中が一変したように、スマートスピーカーの普及は、我々に大きな影響を与えるだろう。新しい時代の足音を聞き逃さぬよう、しっかりと耳を澄ます必要がありそうだ。



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