予算400億のクールジャパン戦略はサブカルにとっての好機か?


日本政府観光局(JNTO)が、クールジャパン推進の一環として、バーチャルYouTuber「キズナアイ」を観光大使(訪日促進アンバサダー)に起用した。Web上で情報拡散することで、ミレニアル世代と呼ばれる若い世代を中心に一般米国人の訪日意欲を喚起し、旅行需要の拡大を目指すという。

バーチャルYouTuberが大きく話題になったのは2017年12月である。それから4ヶ月足らずで観光大使起用というスピード感は、非常にインパクトがあり、コンテンツ製作に携わる者にとっては大きなチャンスである。そこで、これを機にクールジャパン戦略について概観してみよう。


クールジャパン戦略は、2010年から始まった国のブランド戦略であり、2016年度予算は376億円、2017年度予算案は459億円である。

内閣府の発表した資料によると、クールジャパン戦略の狙いは、①情報発信、②海外への商品・サービス展開、③インバウンドの国内消費、の各段階をより効果的に展開し、世界の成長を取り込むことで、日本の経済成長につなげることである。


そして、そのために重要な視点として、以下の5つを挙げている。

①「デザイン視点」で横串を刺す

商品の「機能価値」(品質や性能)に「感性価値」(意匠や質感)を加え、魅力を高める。

② 政策・事業を連携させる

官民・業種間の垣根を超えて相互に連携し、点ではなく面として展開させる。

③ 人材ハブを構築する

関連分野の人材を世界中から日本に引き付けて創造性を集積・高度化し、情報発信するハブを構築する。

④ 外国人の視点を取り入れる

日本ファンの外国人や影響力のある外国人と協働し、外国人の目線で再編集する

⑤ 地方の魅力をプロデュースする

地域のクールジャパン資源を発掘し、日本全体の魅力として海外に訴求できるよう、集積・編集・プロデュースする。


そして、クールジャパン関連産業の発展に必要な人材を、以下の①~⑥の6つのカテゴリーに整理し、各カテゴリーごとに、人材の育成・集積をおこなっていくとしている。

①プロデュース人材  専門スキルとビジネススキルの両方を有する人材

→専門職大学等の仕組みを整備。教員の登用や実務家教員の参画が円滑に行われるよう検討。また、業界団体によるミドルキャリアに対する教育プログラムの開発・実施を支援。

②高度経営人材 産業の新たな価値の創出や生産性向上を実現する人材

→ 教育機関と産業界が連携し、高度経営人材育成に向けた取組(分野特化型のMBAコース等の設置)を支援。ビジネスの第一線で活躍する実務家を教員として任用するなどし、質を向上させる。

③高度デザイン人材 製品・サービス開発の全体をデザインできる人材

→ 教育カリキュラムの策定を支援。デザイン分野の教育機関同士や、デザインと他分野の教育機関同士の連携を支援。

④専門人材 クリエーター、料理人、デザイナー等専門スキルを有する人材

→ 教育機関における産業ニーズに即した人材育成を目指す取組を支援。また、若手人材の育成のため、若手への、作品制作・発表の場の提供を推進。

⑤外国人材  外国人視点を踏まえクールジャパンを支える人材

→ 高度外国人材が、「高度人材ポイント制」を活用しやすくなるよう検討。また、「日本で創作活動を行う外国人が、高等教育機関卒業後、在留資格の要件を満たす前に帰国せざるを得ない」という問題に対処。更に、日本料理以外の食分野においても、調理師養成施設を卒業した留学生が一定の条件のもと就労できるよう検討。

⑥地域プロデュース人材 地域のクールジャパン資源の発掘・磨き上げを担う人材

→人材育成に資するモデルプログラムの確立を検討。


2018年2月に発表された資料によると、外国人が日本に興味をもったきっかけとして、「アニメ・マンガ・ゲーム」が最も貢献していることが分かる。

2020年の東京五輪に向けて、クールジャパン戦略の重要度は更に増し、引き続き年間400億円以上の予算が使われていくことが予測できる。

ここで挙げられているようなビジネスに関わる事業者側として見れば、この予算を獲得することができれば、自社資本では到底なし得ないレバレッジを利かせたビジネスを行い、一気に成長戦略を進めることも可能である。いうまでもなく、これは大きなチャンスであり、活用できるかどうか、事業者側のビジネスセンスが問われていると言えるだろう。


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