滅ぶには巨大すぎる新聞業界の、最近の動向まとめ

新聞業界は構造不況に直面し、売上の減少が止まらない。とはいえ、滅びてしまうには巨大すぎるのだ。

コンテンツに関する2016年の市場規模TOP5は以下であり、衰退したとはいえ十分に強大であることが分かる。

1位:1兆9605億円 テレビ(民放地上波テレビ放送事業収入)
2位:1兆2574億円 オンラインゲーム 運営サービス売上(スマホゲーム等)
3位:1兆378億円  インターネット広告
4位:1兆284億円  新聞販売(広告収入除く)
5位:7370億円   書籍販売

更に、新聞社は、高度経済成長期に蓄えた不動産資産から安定した収益を得ており、そう簡単には潰れないと言われている。例えば朝日新聞社の2017年3月期の業績は以下のようになっている。

メディア・コンテンツ事業: 売上高3,677億円、営業利益16億円
不動産事業: 売上高247億円、営業利益49億円

デジタル世代からするとピンと来ないかもしれないが、新聞業界の影響力は依然として大きい。そこで、新聞業界の最近の取り組みについて概観してみたい。


日本経済新聞社

2015年11月、イギリスのフィナンシャル・タイムズグループを買収。

2016年11月、購入型クラウドファンディングサービス「未来ショッピング」を開始。

2017年1月、電子版の有料会員が国内で初めて50万人を超えたと発表。世界では4位の規模。

2017年1月、AIを使って決算の要点を自動で記事化する「決算サマリー」を開始。

2017年1月、デジタル動画のViiBar(ビーバー)と資本業務提携。

2017年5月、有料の動画配信サービスそ行う新会社「プレミアム・プラットフォーム・ジャパン」を設立。東京放送ホールディングス,テレビ東京ホールディングス,WOWOW,電通、博報堂DYメディアパートナーズと共同。


朝日新聞社

2016年6月、小学生へのキャリア教育を支援する事業「おしごとはくぶつかん」を開始。

2016年7月、自社の中国語サイトの記事を、台湾の大手ニュースサイト「風傳媒」に配信開始。

2016年9月、ENGAWA社と提携し、中華圏向け企業・自治体PRサービスを開始。

2016年9月、「NewsPicks」内に「Asahi Biz Station」を開設し、コンテンツ配信を開始。

2016年12月、インターネットで出前注文を受ける「出前館」と業務提携。朝日新聞販売所が、出前館からの注文情報を受け、近隣の飲食店から商品を受け取り、ユーザーに届ける。新聞配達の強みである、戸別配信網を活かしたサービスである。

2016年12月、シニア世代の暮らしを応援する会員制サービス「朝日新聞Reライフサポート」を開始。旅、グルメなどの優待サービスを提供したり、家のトラブルの緊急駆け付けや家事代行などを優待価格で提供する。

2017年5月、人工知能研究を支える自然言語処理分野における共同研究契約を、レトリバ社と締結。


毎日新聞社

2016年11月、地域の特産品の商品化や新たなプロジェクトを応援する購入型クラウドファンディングのインターネットサイト「MOTTAINAIもっと」の開設を発表。

2017年6月、メディアドゥ社、ブロードバンドタワー社と、新しいメディアやコミュニケーションビジネス分野の起業支援の共同時強化で合意。

2017年7月、合弁会社「毎日みらい創造ラボ」を設立。若いベンチャー起業家や学生から事業アイデアを募り、起業プロセスを支援するプログラムを実施すると発表。

2017年7月、フューチャーアーキテクト社と共同で次期基幹システムの開発を開始。新聞紙面の製作を主軸とする現在の業務を見直し、鮮度と品質の高い記事をここの読者にあった媒体にタイムリーかつスピーディーに届けるための仕組みと体制を整えると発表。


読売新聞社

2016年12月、広告局内に、企画広告などを執筆・製作する「クリエイティブチーム」を新設。従来型広告の質を高めるほか、デジタル広告で主要になりつつある「ネイティブ広告」の取材、製作に対応。

2017年4月、「LINE NEWS」の「LINEアカウントメディアプラットフォーム」に加入。


産経新聞社

2016年12月、「産経電子版」の販売を開始。また、無料アプリ「産経プラス」をリリース。

2017年2月、ドローンに特化した情報サイト「ドローンタイムズ」を正式オープン。

2017年6月、産経電子版の企業向けサービス「産経新聞データベース」を開始。1992年以降の過去記事データベースを利用でき、利用料金は1アクセスあたり月額11,000円。


このように、デジタル化を始め、新たな分野や地域に進出する動きが見られた。また、戸別販売網や行政との密接な関係、地域との結びつきなどは、新聞各社が蓄えてきた巨大な富であり、それらを活用する動きも見られる。

新聞各社が、このまま何もせずひっそりと消えていくことは有り得ない。どの施策が芽を出すのか、次の一手は何か、引き続き見守っていきたい。


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