総務省は三大キャリアの反撃からMVNOを救えるか?

通信キャリアの動向は、デジタルコンテンツに携わる者にとっては非常に重要である。モバイル端末の決裁システムがビジネスモデルを左右するだけでなく、今後、IoT(モノのインターネット)が盛り上がっていく中で、ますます役割が増えるからである。

その中で今回は、MVNOに関する最新の動向を押さえたい。MVNO(Mobile Virtual Network Operator)とは、無線通信回線設備を開設・運用せず、自社ブランドで携帯電話やPHSなどの移動体通信サービスを行う事業者のことである。

総務省の四半期データ公表によると、2017年9月末時点でのMVNOサービスの契約数は、1,687万(前期比+3.1%,前年同期比+18.3%)、移動系通信の契約数に占める比率は10.0%(前期比+0.2ポイント,前年同期比+1.3ポイント)である。

最近の動向としては、成長の鈍化が挙げられる。


2017年12月には、「FREETEL」のプラスワン・マーケティングが民事再生法の適用を申請し、経営破綻した。同社は2017年3月末時点で、国内MVNO市場において第5位のシェアを誇っていた。また、MM総研は2017年12月に、MVNOに関する18年3月末の回線数予測を大幅に下方修正した。

MVNOといえば、安さを武器に三大キャリアから顧客を奪って急成長しているイメージが強かったが、何が起きたのだろうか。それは、大手キャリアの反撃である。

大手キャリアは、MVNOに対抗するため通信料金を引き下げ、また、子会社によるMVNOのサブブランド(Y!mobile,UQ mobile)のサービスを強化し、他のMVNO事業者に対抗したのである。

この状況を快く思っていないのが総務省である。同省は三大キャリアによる寡占を快く思っておらず、SIMロック解除の義務化など、MVNOを推進するための施策を打ってきた。

そしてこの問題に対処するため、有識者会議「モバイル市場の公正競争促進に関する検討会」を発足させた。同省のHPによると、目的、検討事項、スケジュールは以下の通りである。


1 目的
 本検討会では、モバイル市場におけるMVNOを含めた事業者間の公正な競争を更に促進し、利用者のニーズに応じた多様なサービスの提供や料金の低廉化を通じて、利用者利益の向上を図るための方策について検討を行います。
2 検討事項
(1)大手携帯電話事業者とMVNOとの間の同等性の確保
(2)MVNO間の同等性の確保
(3)その他
3 スケジュール
 平成29年12月25日(月)に第1回会合を開催し、平成30年春頃を目途に検討結果の取りまとめを行う予定です。


2018年1月30日までに第四回までの会議が開かれており、主に3つの論点が挙がっている。1つ目は「利用者の期間拘束・自動更新」で、いわゆる「2年縛り」の自動更新が、MVNOへの移行を妨げているという点。2つ目が「中古端末の国内流通」で、MVNOにとって必要不可欠な中古端末が、キャリアの下取り後、海外に転売されているという点。3つ目が、「サブブランド」で、キャリアがMVNOに対して適正な条件でネットワークを貸し出していないのではないかという点である。

これらの議論は現在も進行中である。通信キャリアとプロモーションなどで連携することも多いビジネスパーソンにとって、シェアの変動は収益に直結する大きな問題である。今後も、動向を注視していきたい。



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